Struts脳の恐怖とRails

Strutsは良いフレームワークであった。


登場時のStruts
MVCを体現しWebフレームワークとしてプログラマ達に夢を見せた。
今見てしまえば冗長で可読性の低い設定ファイルに
糞のようなtaglibとゲロのようなjspであるが
それでも当時はセンセーショナルだった。


しかし、その後、Strutsには悲劇が起きる。
あまりにもセンセーショナルなデビューのおかげで
それを金に換えようとしている奴らに目を付けられてしまった。


人月計算とExcelとスーツで出来ている奴らだ。


奴らは
Strutsをいかに簡単であるか宣伝し
役に立たない講習会で金を取り
sessionが何なのかすら知らない人間を大量に生み出した。


そうやって生み出されたStruts脳人間は
「動くコードが正義」の負の面を体現し
スパゲティを更に絡ませたActionFormを書き
解読不能なActionを書いた。
勉強など一切せず、
仕事に関係のないコードは一切書かず、
仕事を効率化させるためのコードすら1行も書かず、
.do拡張子が素晴らしいと思いこんだ。


そういう人間を扱いやすくするために
コードを書かずに仕様書という名の
地獄の怪文書を大量に生成し
一つの機能を追加するのに
役所のような文書手続きと
爆弾処理班のようなキチガイじみた作業を強制するようになった。


Strutsは完全に死んだ。


正確な言い方をすれば
Strutsは奴らの手に渡った。
いや、むしろStrutsが奴らを作ったのかもしれない。


現在もStrutsは標準的なwebフレームワークであり
エンタープライズの代名詞だ。


だが、そこには既にプログラマは存在せず
Struts脳な人間だけが金を発生させて喜んでいる。


そんなStruts脳の洗脳を解こうと
何年も努力している男が居た。


角谷信太郎氏だ。


もちろんRuby自身も良い言語だ。
言語だけでなく使っている人間も愛があふれている。
Matzの穏やかな独裁者ぶりには尊敬を覚えるし
書いていて楽しい言語として
プログラマを信じ、幸せにさせてくれる。
そこにRailsと言うセンセーショナルなフレームワークが登場し
今までの角谷氏の苦労も実り
Railsは爆発的な人気を持った。


だが……


そこにStruts脳の奴らが
表面だけ変えて踏み荒らしに来た。
役所のような文書手続きを持ったまま……
そんな状況を打破しようとして提唱されていた
「生産性」や「アジャイル」と言う言葉すら飲み込んで
ウォーターフォール開発をやり始める。


角谷氏が除外したかったはずのモノに
利用されバズワードが増えていく……


そんなぺんぺん草も生えないような
世の中にはなって欲しくない。


ただし、まだ救いはある。
Ruby自体が
「楽しくプログラムできる」
事を最前面に持ち出している言語なだけに
Struts脳の奴らもプログラムの楽しさを知るかもしれない。
学校でJavaやって好きも嫌いも無いまま
Javaっぽいものを書いているよりは遙かにましだ。


また、逆にそういったプログラマが増えれば
Struts脳を逆に駆逐してくれるだろう。


Struts脳の蹂躙をうけたJava
別に死んだわけではない。
相変わらず糞なEJBなどに見向きもせず
Wicketなどの素晴らしいフレームワークが出てきている。


世の中がどちらに転ぶのか
Struts脳の奴らの押し付け合いになるのか
少なくとも希望ある将来であればよいなと思う。